#戸建て築20年/#そこだけリノベ/#奥さま孤軍奮闘記
2022/02/6(日)
投稿者 / Rising しい
『母と一緒に・・・』
突然『住まいのことで相談が・・・』とお電話いただいたのは
館 尚子さま(36歳)。
一体、どんなご相談だったのでしょうか?
館さんの《何故、リフォームを??》ご相談以降のエピソードをご紹介いたします。
このブログをお読み頂きたい方
- 『築20年以上戸建て』にお住まいのかた。
- 『ご両親様の介護』をされているかた。
- 『母子家庭』のかた。
- 『家を全てリフォームしようとは思っていない』かた。
- 『リフォームしたいけどどうすすめていいか解らない』かた。
ご相談者 館 尚子 様 (たち なおこさま36歳)
- 家族構成:(4人) ご夫婦 + お子様2人(小6、小3)
- 住まい:在来木造2階建て 163.96㎡(49.5 坪)
- 築年数:24年
- 外観 : 屋根 洋瓦葺き, 外壁 ラスモルタル塗り・塗装仕上げ
- お悩み: 実家のリフォームをしなければいけなくなりそう。でも今の賃貸のほうがずっと快適!だって新しくて、暖かいし、今風の造りで~。
- リフォーム歴:外壁塗装、障子、ふすまの貼替え(お母様がなさっていた)
実家の件は,
すごく 憂鬱 ・・・・・
館 尚子さま『ご相談内容』の背景・・・
- 2年間介護していた母が亡くなり、一人暮らしであったため空き家になってしまう。
- 母から『空き家にしておかない事。売却しないこと。尚子たち家族が住むこと』と遺言が。
- 母の家は約50坪もあるので広さ、また立地などは問題ない。
- 元々は尚子さんの実家であり、祖父母、両親、尚子さん兄弟3人の7人で住んでいた。
- 尚子さん夫婦、子供2人の4人で居住したい。
☆☆元々の間取り☆☆


館さま 絶対になおしたいところ!!・なおしたくないところ
1階では・・・
絶対直せないと住みたくないとこ。
台所が寒い!
北側にあって、
大きな掃き出しの窓もあって、
流しの前には、出窓もあって、隙間風が、
台所の周囲に食器棚が並び、
真ん中のテーブルが、物置台に!!
そうゆう造り自体、好きじゃないです。
お風呂も絶対、いや!!!
お風呂自体も寒いし、
湯船のお湯がすぐ冷めてしまい・・・・
和室は何もしなくていいかと。

2階では・・・
子供たちが、自分の部屋が欲しいって。
今の賃貸では、一緒の部屋で、
別々の個室が絶対欲しいと。
もう小6だから。
(小3のお子さんは欲しいとは言ってない)
あと、トイレも中だけは綺麗にしたい。
和室は、そのままで。

館さま『お住まいの診断』
ご相談内容は(なんとなく)わかりました。

心の声(・・・ちょっと具体性に欠ける感じが。)
お住まい自体に問題点がないか?
診断をさせていただきます!
(このまま言われたことだけリフォームするとご満足されないはず・・・)
診断結果は・・・
- 地震の影響かは不明だが、北側屋根(下屋)隅棟瓦がずれ、和室押し入れが雨漏り。
- バルコニーのシート防水が膨張し切れが目立つ。排水付近から1階に雨漏り発生中。
- 玄関ドアの建付けが異常に悪く、きちんと閉まらない。(壁に傾きが見られた)
- 茶の間掘りごたつの床下に白蟻被害の跡、今も活動中。
- 浴室ドアの敷居がふわふわしている。(土台が腐食し、空洞化)
- 浴室の廊下側も漏水が原因で、土台が腐食。(進行すると廊下の床が部分落下!)
- 台所外部排水に油の白い固まりが。(パイプ洗剤で定期的に掃除していれば・・・)
- 2階個室の床が傾いている。2部屋とも。《重大な瑕疵が存在する傾きのレベル》
(1階は傾いていません)

建物診断では、主要構造部等への影響がないかを必ず確認することが重要です。
見た目は、いつでも直せます。
しかし、人間の体内と同じように
見えない部分で、病気が進行していたら、
どうなるでしょうか?
取り返しのつかない事になる場合もあります。
主要構造部
壁、柱、床、はり、屋根又は階段をいい、建築物の構造上重要でない間仕切壁、間柱、付け柱、揚げ床、最下階の床、回り舞台の床、小ばり、ひさし、局部的な小階段、屋外階段その他これらに類する建築物の部分を除くものとする。
構造耐力上主要な部分
基礎、基礎ぐい、壁、柱、小屋組、土台、斜材(筋かい、方づえ、火打材その他これらに類するものをいう。)、床版、屋根版又は横架材(はり、けたその他こ れらに類するものをいう。)で、建築物の自重若しくは積載荷重、積雪荷重、風圧、土圧若しくは水圧又は地震その他の震動若しくは衝撃を支えるものをいう。
館さま 建物診断シート

館さま ご要望

『問題点』はお住まいの診断で把握しましたので、
その後お考えの『ご要望』をあらためて確認させて頂きます!

希望その①は、『今風の台所と寒さ対策かな』、
②は『子供部屋を子供の希望色に直してあげたい』、
③は『水廻り・・・お風呂は絶対に!』

『水廻りの入れ替えと(300万円)』、
『今風にするためには・・台所と茶の間をつなげ、
キッチンも場所移動など』(+200万円)。
そして『お子様のお部屋二室をきれいにして』(+約120万)。
主なご希望で『600万円から650万円が必要です。』

『だいたい理解出来ました』
『でも・・・』
『台所やお風呂が寒いのは・・』
『その中に入って無いですよね』

『範囲(お部屋)+内容(交換,模様替えなど)=最小必要コストが約600万円』
増額にはなりますが
『おすすめは(築20年のお住まいなので)窓の断熱化』です!
『今の窓の内側に取り付ける内窓、またはサッシ交換いずれかの方法で!』

『もし・・内窓つけた場合は・・・』
『台所の極寒原因の掃き出し窓とか出窓は、その形のままじゃ・・・』
『窓でなくドアにしたり、小窓に替えたいかな・・・・』
『そのままは・・・絶対NGですね!!』

『ご要望、だんだんわかってきました!』
『外壁は・・よく見ると3~5年前くらいに再塗装されているようです。』
『サッシの交換+外壁塗り替え』が必要な部分、
『今の窓に内窓+外壁そのまま』でもいい部分に分けてご提案いたします!
- 屋根隅棟の積み直し(震災原因)と押し入れからクローゼットへ改造
- バルコニーシート防水からFRP防水へ変更 押入れ内部の構造劣化部修繕
- 玄関ドアをリフォームドア(カバー工法)に交換し、隙間風を改善
- 堀こたつを撤去し、茶の間の床組を交換(畳とフローリングの組み合わせに)
- 浴室と洗面室を入れ替え。(旧浴室2方向土台を交換。洗面、廊下とも床組を直し、ホールの床も貼替え)
- 台所と茶の間を一体化。ご希望の対面式キッチンに変更
- キッチン床下排水配管を交換、外部排水トラップの清掃
- 2階2部屋の床組みを交換、傾きを改善の上、床フローリング貼替え
- 耐震壁を部分的に新設。(2階北東角直下が元々壁無しであったため)

結果的に
サッシ交換【茶の間・ダイニングキッチン・水廻り】(場所変更箇所含め)
リフォームドア【玄関】
内窓【1階和室、広縁、2階 子供室2部屋、2階トイレ、廊下】
つまり1階は方法別で全箇所、
2階は和室、納戸を除いた箇所になりました!

館さま リノベーションご提案書(すべき内容+ご要望)
尚子様の祖父が建て、お母さんが守ってきた住まい。思い出を残しながら快適生活が可能に。
- 暗く寒かった台所。家族と向き合う対面キッチンに。 LDK、水廻りは複合樹脂サッシに 交換。
- 住職様へ確認頂き、お仏壇位置を変更。これからの暮らしもお母さんと一緒に・・・
- 間取りを入れ替え、洗面とキッチンの行き来が可能に。廊下も含め一周できる動線に
- 屋根の修繕、バルコニー防水の更新など気付きにくい点を改善(今後も要メンテナンス)
- 1階で不具合のあった床組みの交換や修繕、瓦は重量が重いため耐震壁を新設。
- 2階の子供室2室は床不陸(平らでない)を改善の上、内装模様替え、押入れから今風の収納に改善。

全てご採用をいただき、工事完了です。
★☆リノベーションを終えて☆★
『二年間介護した母が亡くなり・・・四十九日法要が終わって、すぐに電話しました。』
と、館 尚子さんは言われました。
長年、みんなで暮らした実家。
前は7人家族だった。
母が家を直してどうしても住んで欲しいっていうので、
リフォームを決心しました。
住んでた賃貸の、今風な造りと寒くないとこがすごく良くて、
正直、介護中からずっと憂鬱でした。
あまり情報収集も出来なくて
どうしていいかわからず・・・余計に不安でした。
でもリフォームしてすごく良かった!!
実家を出て、16年。
子供達にも賃貸でなく、引っ越しせず安心できる場所に住めて良かったと。
そう語る 館 尚子さんの表情は、
ちょっと投げやり的な初面談時と違い、
清々しい表情でありました。
(主人が・・・と要所要所で言われてましたが・・・
・・・・・・・・最後までお会い出来ずでした。)
館 尚子さまリノベーション価格
館 尚子さまリノベーション価格
約 900万円(税込み)
想像のご予算:500~700万円
資金計画:リフォームローン200万円、現金700万円(住宅ローン減税利用)
ここだけをリフォームするメリハリ手法に務めましたが、
劣化を放置出来ずに、一緒に工事していただきました。
住宅ローン減税対象住宅
住宅ローン減税は、新築住宅だけでなく中古住宅も対象となります。また、増築や一定規模以上の修繕・模様替え、省エネ・バリアフリー改修なども100万円以上の工事費の場合は、住宅ローン減税の対象となります。ただし、省エネやバリアフリーの場合は、別のリフォーム減税(特定増改築等住宅借入金等特別控除)の方が有利な場合がありますので、よくご確認ください。(リフォーム減税との重複利用はできません。)
住宅ローン減税の対象となる増築、リフォーム工事
- 増改築、建築基準法に規定する大規模な修繕又は大規模の模様替えの工事
- マンション専有部分の床、階段又は壁の過半について行う一定の修繕・模様替えの工事
- 家屋のうち居室、調理室、浴室、便所、洗面所、納戸、玄関又は廊下の一室の床又は壁の全部について行う修繕・模様替えの工事
- 耐震改修工事(現行耐震基準への適合)
- 一定のバリアフリー改修工事
- 一定の省エネ改修工事
ご覧いただき有り難うございました。
構造体の不安等ございませんか?
お悩みご相談や設計診断、リフォーム中だけど大丈夫?
お気軽にお声がけをいただければ幸いです。
『母と一緒に・・・』 母子リノベーション孤軍奮闘記

2022/02/6(日)