#戸建て築100年/#古民家リノベ/#古民家リノベーション価格
2022/01/30(日)
投稿者 / Rising しい
努力ぬりき 常勝さんの悩みは、
『毎日不意に来る友人に長居され、自営の仕事にも支障が出て困っている。
自分が家にいるか解らないような居留守が出来る家にしたい!!』
照れ屋さんなので表面上はそうきっかけを話されるが、
実は、父親から家を受け継いだ責任を全うせよと指令が出ていたのであった。
さて如何に!!。
その後、幾度も協議を重ね、
お悩みを解決された努力さんの
リノベーションを終えるまでのエピソードをご紹介いたします。
このブログをお読み頂きたい方
- 『戸建て住宅の建替え』を検討しているかた。
- 『住まいを受け継ぎ責任を全うしたい、家族の為に活用したい』かた。
- 『郊外のぽつんと一軒家』『平屋の古民家』にお住まいのかた。
- ご自身の『建替えとリノベーション両方の可能性』を知りたいかた。
- 古民家リフォームしたいけど『どうしたらよいか解らない』かた。
- 古民家の『リノベーション過程を知りたい』かた。
- 古民家の『リノベーション金額目安』を知りたいかた。
ご相談者 努力 常勝 (ぬりき つねかつ)様のご家族とお悩み
- 家族構成:ご夫婦(2人) 《お子様とご両親様は敷地内に隠居宅を新築し居住中》
- 住まい:伝統工法木造平屋建て 190.8㎡ (57.7坪)
- 築年数:100 年
- 外観 : 屋根 和瓦葺き, 外壁 しっくい、サイディング、亜鉛鉄板。
- 用途地域:無指定
- お悩み: 親父から古民家の母屋を受け継いで、『おまえの好きにしろ』=『きちんと管理しておまえが責任を果たすんだ~』と日々プレッシャーを感じてる。でも実際どう直していいのか検討もつかない・・・。友人が来ても居留守が出来るようにしたいけど、本心はそういうことなんだ。《~~こころの声がきこえました》
- リフォーム歴:40年前、屋根を《茅葺きから瓦葺き》に直し、その時に台所と茶の間も一緒にリフォームしたね。15年前に《うまやを自分たちの寝室に》し、風呂場や脱衣場、トイレも直した。細かいのは自分も解らないんだ・・・。
『努力 常勝さん 46歳 ご希望は・・・』
- 『親父達は離れを二階建てに建替えして、子供もそっちがいい~。母屋には俺たち夫婦2人しか住まない。自分が直さなければならない!!』
- 『農家なのでご近所さんが来たとき、靴を脱がずに茶飲み話できるところは絶対必要。』
- 『友人が昼や夕方、不意にやってきて、居るのは解ってるぞ~!と毎日。昼飯や昼寝、仕事に行く時間も取られてしまい困ってる。』
- 『要望といわれても、どうしたらいいか解らない・・・ただ自分の代の一大事業として子供達に受け継げるように。ご近所さんに笑われないようにしたい!』

☆☆いまの間取りでどう暮らしているか?☆☆

お住まいの状態-1

いろいろ問題が発覚! 『構造体は見えない部分だからすごく心配だなー』
『本当、大丈夫かな・・・・? それにしても何で親父は見逃したんだ!!!』 😤

お住まいの状況-2 診断のまとめ
お住まいの状態-2

診断を受けて、
『説明してもらったら、
問題が整理されてすごくすっきりした~!!』

リノベーションのご提案【どこをどの様に変えるのか?】
リノベーシ アフタ趣旨
- 室内の段差が《5段差》から《2段差》に改善!
- 廊下をつくり両親宅への行き来、水廻りや寝室へもアクセスが良好に。
- 農家ならではの《味噌や漬物置き場》を兼ねた2方向勝手口を新設。
- トイレ、浴室、洗面脱衣室の場所を移動。キッチンで作業しながら、洗濯やアイロンした物を収納するなども兼ねて家事仕事がしやすくなった。
- キッチン横に食品庫をつくり、食材や調味料のストック置き場ができた。
- 玄関を開けてすぐのお茶飲み場だった土間を右側へ移動、堂々とした玄関ホールとして住まいの顔となった。知人も恐縮して家へ上がらなくなった!
- 移動後のお茶飲み場《我が家Cafe》。評判はすこぶる良い。居心地が良くかえって長居の原因となってしまった。
- 寝室を15帖→12.5帖+収納1.5帖 計14帖に縮小。窓を小窓にし《外窓+内窓の二重》に。『雨・風の音』や友人の『居るんだろ~』がほとんど聞こえなくなった!!
- 玄関ホールを上がって正面を風格ある客間にしたかった。親父が寒くて天井裏を塞いだのを壊して、隠れていた丸太梁が見え、もとの帯戸なども相まって『古民家らしい客間』に変身した!!
- 奥さんの絶対の希望だった対面式キッチン。ダイニングテーブルセットをそのまま置くと『お仏壇にお尻をむけてしまう』事に。半間南へ移動し、ご先祖様と一緒に過ごすLDKになった。また仏壇置き場を新設し壁が出来たので、壁掛けTVを設置して食事しながらTVが見やすくなった。

リノベーションの完成【どう出来たのか?】

『努力さま、ついに完成しましたね!』
『おめでとうございました!』

さん
『何か凄い家になったね!』
『まだ友達は来ないけど』
(ご近所さんが)
『どうなったのか
みんな見に来たよ』

★☆リノベーションを終えて☆☆
努力さんはこう言いました。
『リノベーションいつ終わるんだろうとずっ~と思ってました』。
抜かれた柱やぶった切られた梁の復旧は勿論のこと、古民家の基礎となっている土台の入れ替えや全体の脚廻りの補強。数十箇所にも及ぶ耐力壁の設置。床下の風通し対策。
『いつになったら造作(構造体以降の間仕切り壁やドアをつけたりすること)が始まるのか?』、『我々素人は造作のイメージは解るけど構造体の詳細はあまりわからない』、
早く出来上がる事だけが楽しみであった。
結果、完成まで《約8ヶ月》。
『こんな風になるとは予測できなかった』と
格調・風格が蘇った《努力 家 の築100年の住まい》。
工事前や工事の初期は、お父様がこんな工事方法見たこと、聞いたことがない。
任せられん~と何度もお父さん、常勝さん、しいの3者対決があったことが懐かしくも思えた。
農家だから農協さんでローンを借りたんだ。これから更に『家族や家を守るために頑張るんだ』。
常勝さんはリノベーションを終えほっとしながら、長話しにも一層磨きが掛かりました。
リノベーション価格 目安
リノベーション概算工事費
リノベーション金額目安 2200~2700万。 57.7坪(屋根工事は別途)
ご近隣で『新築された平屋の価格』(地域、材料、仕様で坪単価には差があります)
70坪×坪単価@80万=5,600万円。解体費用その他含む 合計 6,000万円
仮に、57.7坪だったら×坪単価@80万=4,640万円+諸経費=約5,000万円
★☆ リノベーションを終えて 東日本大震災後☆☆
リノベーション完成 数年後に・・・
工事を終えて数年後の2011年3月11日に『東日本大震災』が発生しました。 震度6強
努力さんの《ご両親宅、土蔵や門塀》、ご近所様の《古民家や長屋門》は、門の倒壊、壁の破断や屋根瓦、棟瓦の落下などかなり被害を受けておられ、周辺の沿道のお宅は同様の被害で、車もまともに走れない状況でした。
私はリノベーションした努力さんの『古民家』の点検を行いました。
屋根や外装の被害もなく、内装のひび割れ一つありませんでした。
『やっぱり手間を掛けた本格的なリノベーションは全然違う!』と周りがパニックの中、
常勝さんと私は、塀の落下したしっくいの片付けをしながら思わず笑いながら、称え合いました。
まるで戦場で生き抜いた戦友のように・・・。
※被害状況はご新築した住まい、古民家を問わず『立地条件や地盤の種別』で異なります。
『築100年 古民家リノベーション奮闘記』 努力(ぬりき)さん46歳の挑戦
