
あるリフォーム相談会にお越しになられた《田中さんご夫妻》
35年前、結婚と同時に建てた新築の1戸建て。自分の出せる精一杯の予算で。
子供が生まれともに成長し、家族みんなで過ごした我が家。しかし時は過ぎ・・・・
近所娘さん夫婦のお子さん(お孫さん)が遊びに来ても、決して泊まらず帰ってしまいます。
田中さんの築35年の住まい。いったいどんな問題があるのでしょうか?
築35年 田中さんご夫婦宅の問題点!?

家に愛着はあるけど・・
いろいろ問題があって
将来に備えて考えてるんです!!
- 『近所に住んでいる娘夫婦や孫(5人家族)が来たときに、集まる場所が狭い。(茶の間)
- 『トイレやお風呂が古いから使いたくないー』と言われて、ショック。【建替えかリフォーム】をする決心した。
- 2階と台所は全て物であふれている。(ほぼ不要品)
- 強風が吹くと家が揺れる。(震度2~3位)
- 2階の寝室に行くのが大変そう。(長くて暗い階段)
35年住んで外観や茶の間など愛着があって。でもリフォームでなおるの?

田中さんご夫婦宅の『住まいの診断』

田中さんのお住まい診断をさせて頂きました。
- 第1印象は(言えませんが物で占領されたお住まいでした)
- 風で揺れる件は、屋根が高く間口も長く風を受ける北面の見附面積が大きい。(冬の強風や台風、突発的な強風で北向きの風で家が揺れる現象が発生する)
- 家の中央に階段があり、2階の部屋が分断される造りであり真っ暗。(大屋根で2階東西は窓が無い造りとなっている)
- 延べ面積が22坪なので、10㎡未満での増築を検討。

『問題の改善案』
- 田中さんの定年後、老後の生活の為にも全体的なリノベーション計画が必要!
- 防火、準防火地域外のため、10㎡未満の増築は申請なしで可能 (6帖の増築で狭さをカバー)
- 階段の位置を見直す。大屋根で小屋裏にデッドスペースがあり、活用を検討する。
- 軸通り梁等横架材の見直しや耐震補強工事を行う。
- 時間を掛け不要品の整理、処分をしていただく。(これから必要な物、不要な物の仕分け)

リノベーション平面計画図
- キッチンを中心に配置して、家事仕事をしながら各部屋へアクセス可能な動線に
- 増築部を畳ダイニングとして7名が座れるように掘り座卓を新設
- 1階で全ての生活できるように2階にあった寝室を1階に新設
- 階段の位置を変更し、大屋根小屋裏のデッドスペースは吹抜けに 2階の窓からお孫さんが1階の田中さんへ話しかけたりとコミュニケーションが可能な様に2階の廊下と居室に内窓を設置
- 2階の居室は娘さんご家族が来たときに利用するスペースに!

リノベーション完成・施工後イメージ


リノベーションを終えて
田中さんご夫婦は、『リノベーションでも自宅が蘇ることが可能』と確信して工事を依頼しました。
完成後1年、2年住まわれて、強風で家は揺れなくなったとのこと。地震が幾度と発生しても特に被害も
無しでありました。増築も6帖にとどめたことで劇的に広くなった感じではありませんが、『天井を高く
してもらい、吹き抜けと隣接させた事が開放感を感じる空間に』なりました。
お孫さんもリノベーションするきっかけになった『トイレやお風呂が古いから使いたくないー』と
言っていましたが、いまは泊まってくれるようになったとのこと。
庭にはご自身で作った大きなウッドデッキが置かれ、リビングなど各部屋とアクセスが出来て、
お孫さんが走り回っているそう。『蘇った我が家で快適なリタイヤライフを送れてます』
あらためて田中さんは言われました。
『定年2年前にタイミング良くリノベーションが終わり、自分たちの今後の備えとして
家の整備は成功に終わった』と。
10平方メートル未満の増築とは?
確認申請は、原則として面積に関係なく必要です。ただし、防火地域・準防火地域以外の地域で、床面積10平方メートル以下の増築・改築・移転を行う場合(新築は含まれません)に限り確認申請の手続き規定(建築基準法第6条)が免除されています。しかし「申請不要=法令遵守の必要なし」ではありませんので、建築される建物はその他の建築基準関係規定に適合しているものでなければなりません。
リノベーション概算費用
田中さん談
建替え費用-1(某ハウスメーカー)ご夫婦の希望が入った住まい 2,800万円
建替え費用-2(某ハウスビルダー)お嬢様宅の業者さん(概算) 2,650万円
今回のリノベーション 1,650万~1,750万円 でした。
ご相談時に予算提示はなく、建替えを検討済であった事は守秘されていました。(決定後伺いました)
建替えやリノベーションの決定する前に相見積もりは必要です。何故なら提示金額の比較検討の為に。